皆さん、こんにちは。
今日は、「宇宙が始まる前には何があったのか?」という本を読んでいます。
この本では、宇宙物理学者であるローレンス・クラウスが、宇宙の始まりから今に至るまで、そして遥か未来にはどのような姿になっているのかを、自身の研究と見識から解説し、更には、「宇宙は無から生じたと考えられる」ということを科学的見地から説明しています。
私は、IT系という職業柄、しばしば「理系でしょ?」と言われることがありますが、正直言って数学は学生の頃から苦手で、ましてや、物理などは学びたいとも思いませんでした。
しかし、この歳になって、今更ながら幅広い分野について読書をしていると、最も興味のある分野には物理や数学が必要であることに気づくようになり、まだまだ表層的ではありますが、意識的にそれらの知識を吸収するよう心がけています。
ところで、本編の内容ではないのですが、章の冒頭で作者が引用している文章に、面白い一文がありました。
それは、SF作家であるダグラス・アダムスの作品、「銀河ヒッチハイク・ガイド」の中の、「宇宙は大きい。ほんとうに大きい。気が遠くなるほど大きいのだが、そう言ってもあなたは信じないだろう。薬局まではずいぶん遠いと思っているかもしれないが、そんなものは宇宙の大きさに比べればケシ粒のようなものだ。」という一節です。
言われてみれば当たり前ですが、私たちは、物事の尺度を、普段生活している目の前の世界に合わせてしまい、宇宙という、とてつもないサイズの尺度から世界を眺めるということは、なかなかありません。
もっとも、そのような文字通り天文学的なサイズで生活のあれこれを捉えなくとも、なんら困ることはないのですが、目の前の世界のサイズで物事をとらえていると、自然と視野が狭くなり、巨視的な思考で物事を考えることができなくなります。
本ブログで何度かお話ししている「抽象度」とは、簡単に説明すると「情報を取りまとめる概念の度合い」ですが、具体的な情報を知り、更に、それらを包摂(ほうせつ)する上位の概念を知ると、より物事を俯瞰的に捉えられるように、情報を取りまとめる概念が高次になるほど「抽象度が高い」ということになります。
この本のように、宇宙レベルとまではいかなくとも、より大きなサイズで物事を眺めていると、「抽象度」の高い思考ができるようになり、結果的に、多くの情報を捉えられるようになります。
皆さんが「自分のやっていることに行き詰まってしまった」「現状の問題を打破したい」といった悩みを抱えているならば、毎日見ている風景から、さらにスケールアップし、大きな視点から目の前の問題を捉えてみてください。
まずは、普段の生活の範囲から離れ、抱えている問題の外側に出てみることをオススメします。
そのためには、旅行に行くもよし、私のように知らない道を散策するもよし、あるいは、宇宙についての本を読み漁り、広大な宇宙について想いを馳せるのでも良いでしょう!
この「思考の抽象度を高めよう!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。