皆さん、こんにちは。
私は、20年以上「DJ」として活動していたのですが、私がDJを始めた頃は、音楽をかけるためにアナログ盤(レコード)が必要で、CDのDJ機材なども無く、ましてや、PCやUSBメモリに入ったデジタルデータでDJをするなど、予想もしていない時代でした。
それ故に、DJは敷居が高く、「やっている人がほとんどいない」という意味では、非常にそそられる文化であり、アナログレコードの魅力も手伝って、かなりの頻度でレコード屋に通い、レコードを買い漁っていました。
又、私が最もDJに魅力を感じたのは、B面の「リミックスバージョン」です。
最近はレコードブームが再燃し、ソニーミュージックがプレス工場を再開したほど注目が集まっていますが、レコードに関心の無い若い世代の方は、「B面」などと言われてもピンとこないかもしれません。
レコードは、円盤状のプラスチックで出来ており、その盤面には溝が刻まれています。
そして、レコードプレイヤーの針でその溝の段差を読み取り、音声信号に変換するわけですが、その溝がプレスされた両面を、「A面」「B面」と呼びます。
多くの場合、A面とB面には、アルバムからカットされた曲が一曲ずつ入っているのですが、クラブミュージックの場合、A面には、ヒットチャートなどで耳にするアルバムバージョン、B面には、Instrumentalバージョン(歌なしのバージョン)やアカペラ(歌声のみ)、そして、オリジナルバージョンとは全く違う楽曲に差し替えられた「リミックスバージョン」が収録されているのです。
私は、このB面に収録された、一般人が手にすることのない「リミックスバージョン」に惹かれ、レコードやDJカルチャーにはまりました。
昨今は、デジタルデータが主流ですので、リミックスバージョンの希少性も少なくなりましたが、「リミックス」の良いところは、オリジナルの要素に味付けをして、その良さを引き出すところにあります。
今では「リミックス文化」などという言葉も時々耳にするようになりましたが、日本人はそもそも、この「リミックス」に長けています。
古くは農耕文化、仏教、産業、政治、経済に至るまで、輸入された新しいものを、日本人独自の解釈で「リミックス」し発展させてきました。
そして、今では「世界一」にまで押し上げられた、沢山の製品や文化を生み出しています。
以前の記事で、「Steal Like An Artist(アーティストのように盗め)」という本を紹介しましたが、この本と同じように、オリジナルの良さを盗み、新たな価値を生み出す、「リミックス」の考え方を、ビジネスに活かさない手はありません。
「新しいことを考えるのが苦手だ」とか「自分は発想力が乏しい」などと思っている方も、まずは、自分の好きなことを漁るところから始めてみましょう。
集められた自分の好きなことを並べて見ると、意外に自分の趣味趣向が露(あら)わになっていることに気づきます。
自分の方向性が見えてきた頃には、収集した好きなことが、すっかり自分の中に染み付いてきていますので、そこに自分のアイデアやテイストを混ぜていけば、自分なりの「リミックスバージョン」が仕上がります。
そして、沢山の「リミックスバージョン」を生み出していくうちに自身のセンスが洗練され、やがては「オリジナルバージョン」のアイデアを生みだすスキルが身についているはずです!
この「リミックスしよう!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。