皆さん、こんにちは。
少し前の話ですが、Amazonの運営するYouTubeチャンネルで、盲目のコーダーについての話が紹介されていました(https://www.youtube.com/watch?v=EjKuY7ql4Ug)
「コーダー」とは、皆さんがよく使うショッピングサイトや情報サイトなどのコードを書き、そうしたサービスを構築する人のことを言います。
一般的には「コーダー」とは区別されていますが、いわゆる「プログラマー」のようなものと説明した方が、わかりやすいかもしれません。
この動画で紹介されている方は、生まれつきの視覚障害のため、画面上の文字を読むことすらできないのですが、音声認識システムとスクリーンリーダー(読み上げ機能)を使い、健常者以上のコーディングスキルを発揮しています。
動画を見ていただくとわかりますが、スクリーンリーダーの読み上げ速度は、かなり高速に設定されており、一気に読み上げられる機械的言語を耳で判別しながら、瞬時にコードをイメージし、それを高速に入力することができています。
彼の聞き取り能力には、目を見張るものがありますが、それよりもすごいのは、コードのイメージ能力です。
彼は、視覚的な情報が全く無い分、画面を見ること無く、コード全体を頭の中でイメージすることができ、聴覚的なやりとりのみで、PCにコードをアウトプットしています。
つまり、彼のスクリーンは脳の中に存在しており、(入力は指で行いますが)実際に出力・実行されるPCとは、音声情報だけでつながっているのです
もっとも、コーディングスキルがある程度のレベルに達すると、何千行、何万行ものコードが、頭の中でイメージできるようになりますので、健常者とて同じようにコードをイメージできるようになるのですが、視覚的にコードが見れないということは、視覚を持つ人間からは想像もできないハンデになります。
もちろん、彼の才能は、たゆまぬ努力と、障害を乗り越えようとするパワーによって生み出されたわけですが、彼自身のハンデは「目が見えない」という点だけで、それ以外は私たちと同じ普通の人間です。
人間は、個々の才能の差こそあれ、本当は、彼のような抽象度の高い思考能力が、すべての人間に備わっているはずなのですが、その能力に気づくこと無く、「できない」という短絡的な考えで、自らの力を開花することはありません。
ブログやメルマガで何度かお話ししている「抽象度」とは、「情報を取りまとめる概念の度合い」のことですが、具体的な情報を知り、それらを包摂(ほうせつ)する上位の概念を知ると、物事をより俯瞰的に捉えられるようになり、情報を取りまとめる概念が高次になるほど「抽象度の高い」思考ができるようになります。
物理空間の情報は、視覚や聴覚、触覚などを通じて認識することになりますが、認識されたイメージは、脳が処理しているため、受け取った情報をより具体的にイメージするためには、物理空間からの情報だけではなく、脳の中で展開される言語空間〜情報空間での処理能力が必要になります。
つまり、動画で紹介されている方は、物理的な情報を最も捉えている視覚を失ったことにより、物理空間の上位にある、言語空間〜情報空間(脳の中)だけで情報を捉えられるようになり、緻密な情報にも瞬時にアクセスでき、より豊かなイメージを描けるようになったのです。
しかしながら、通常であれば「視覚」が必要なコーダーという仕事を、「できる」という思いだけで成し遂げ、さらには、期待以上の能力を発揮することができたのは、高いセルフイメージを持ち続けられたからでしょう。
私は、たまたまコーダーという仕事をしているため、共感できることの多いストーリでしたが、単に、この話を「障害を乗り越えた美談」と捉えるのでは無く、「できる」というセルフイメージを貫き通すことで潜在意識を開花することができた、一つの成功例だと考えています。
人は成長するにつれ、多くの制約や周りの人間の意見に影響され、どんなことも吸収し興味を持っていた幼少期の心を捨て、やがて、自分自身を自ら制限するようになります。
私は最近、自分の子どもに対して、「無理、とか、できない、と言っていると、セルフイメージが下がるからやめたほうがいい」と伝えています。
しかし、一方で、私自身もそのようなマインドに陥りそうな時もあり、子どもへのアドバイスを自戒と捉え、努力している次第ですが、成功を目指す皆さんも、日常のふとした行動の中で、つい「無理」とか「できない」と思ったり、口にしてしまうことがあれば、それは即座にやめるようオススメします。
もちろん、自らの力だけではどうにもならない大きな制約によって、実現できないことは沢山ありますが、単に「できない」と思い込むことで、目の前のチャンスを逃すのは、人生における大きな機会損失です。
「挑戦してみたいことがあるのに、なかなか踏み込めない」「やりたいと思っていながら月日が経ってしまった」と言う方も、自分の可能性は無限であると信じ、「できる」という強い思いを胸に、挑戦する心を忘れず、限りなき前進を続けていきましょう!
この「「できる」という思いで引き出す潜在意識!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。