Twin Peaks (The Return)

2017年11月30日
映画・ドラマ

皆さん、こんにちは。

1990年から1991年の間に、アメリカでTwin Peaksと言うドラマが大流行しました。

奇才デビッド・リンチの監督による、アメリカのテレビドラマですが、当時は、バブル真っ只中の日本でも話題となったドラマです。

30代より前の方は、あまりピンとこないと思いますが、そのTwin Peaksが、2017年の5月から、その話に決着をつけるべく、続編として放映されました。

25年後の舞台ということで、劇場版が上映された年から数えると、同じ25年の歳月が経っており、白髪やシワの目立つ出演者もいて、時の流れを感じるとともに、少しさみしい気持ちにもなります、笑

「決着」と書きましたが、ドラマ版の最終話は、テレビ局側の都合で打ち切りになったため、シナリオも無理やり終わりにさせたそうで、個人的には、あの謎めいた終わり方も嫌いではないのですが、デビッド・リンチ自身は、きっと納得がいかず、25年が過ぎたのでしょう。

肝心の内容ですが、一言で言うと、「Twin Peaksファミリーの同窓会」といった感じでした。

生粋のTwin Peaksファンの中には、満足できなかったという人がいたかもしれませんが、リンチファンの一人としては、良い意味でリンチワールドが炸裂した傑作だったと思います。

少しネタバレになりますが、序盤は、拍子抜けするくらい軽いテンションなので、あの陰鬱なストーリーを期待しすぎると、肩透かしをくらってしまいます。

ところが、中盤から、「これ関係あるの!?」と思うくらいの、奇妙なシーンが増え出し、後半の内の一話などは、インランド・エンパイアなどを想起させる、クレイジーな映像が続いて終わると言う、デビッド・リンチの世界を知らない人ならば、気持ち悪くなって途中で見るのをやめてしまうような作品になっています、笑

他にも、(ネタバレですが)ドラマでは名前しか出てこなかったダイアンが登場したり、逝去してしまったフィリップ・ジェフリーズこと、デビッド・ボウイの話にも触れたりと、オールド・ファンが楽しめるシーンも満載です。

赤い部屋に登場する、マイケル・J・アンダーソン演じる「腕」/別世界の男が、奇怪な「木」になってしまったり、何人かのキャラクターは、過去映像でのみの出演となっている点は、少し残念でした。

ドラマ版には無かった少しSFチックな映像が時々現れるのですが、円谷プロによる「ウルトラQ」を思わせる敢えてチープな演出は、微妙すぎるバランスなので、デビッド・リンチ作品が好きでなければ、単なる安っぽい映像と思われかねないでしょう。

正直なところ、作品としては、5点中、せいぜい3点、といったところですが、気味の悪いリンチワールドと、Twin Peaksの世界が好きな私としては、見る価値のある作品でした。


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