皆さん、こんにちは。
今日の都内も残暑激しい一日でしたが、夕方すぎには涼しくなったので、外に出てお酒を飲みながら読書をしています。
私の家からは東京タワーが見えるのですが、東京タワーには、えもいわれぬ都会の風情が感じられ、なぜか、夜景にその姿を見ると安心してしまいます。
しかし、東京タワーに行ったことがある方はわかると思いますが、東京タワーを足元から見上げたり、タワーの中に入ってみると、ただ高い塔というだけで、なんの風情もありません。
東京タワーの夜景は、離れた場所からみることで、ようやくその風情がわかるのです。
この東京タワーのように、近くではわからない良さも、遠景になることによってその全体像がわかるといったことは、我々の思考回路でもしばしば起きていることです。
例えば、何かのプロジェクトに携わっているような場合、ミーティングの場では、ブレインストーミングという名目であれこれと意見やアイデアが交わされますが、多くの場合、そのミーティングスペースに比例して、プロジェクトや、その外にある情報を見渡す視界が狭まっていき、クリエイティブなアイデアが生まれるどころか、なんら面白みのないありふれたアイデアだけが積み重ねられていきます。
又、コミュニティーという点でも、「居心地がいい」という理由で、愚痴を言い合ってお互いが同じポジションにいることに安心し、「成功」を望んでいながら、いつまでたっても、現状の外側に出ることができないというケースを散見します。
いずれにせよ、問題は、物事を俯瞰(ふかん)的に見るための視点を持とうとしていないということです。
遠くから見ることによって、都会の風情が感じられる東京タワーのように、一歩でも遠い外側に出ることによって、新たな気づきや、見落としていた発想を得られるチャンスは、沢山あります。
又、足元の情報だけではなく、その上位に存在している情報にアクセスすることで、「抽象度」の高い思考ができるようになります。
本ブログで何度かお話ししている「抽象度」とは、簡単に説明すると「情報を取りまとめる概念の度合い」ですが、具体的な情報を知り、更に、それらを包摂(ほうせつ)する上位の概念を知ると、より物事を俯瞰的に捉えられるように、情報を取りまとめる概念が高次になるほど「抽象度が高い」ということになります。
これから秋に向けて、夜は過ごしやすくなります。
あまり夜は外に出ない、と言った方も、たまには外に出て、高い場所から夜景を眺め、ビルの明かりから夜半まで働く人たちのことを考えたり、眼下に広がる街の様子を見ながら自分が小さな存在であることを考えてみたりと、物理的に視点を広くする体験から、「抽象度の高い」思考を育てることは可能です。
「いつまでたっても現状から外に出られない」「自分の殻を打破するきっかけがほしい」と思っている方は、ぜひ、広い視点を脳にイメージするために、視界を広げるための体験をしてみてください!
この「思考の抽象度を高めよう!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。