皆さん、こんにちは。
今日は、子どもが、国語のテストがあるということで、文法や文章の構成などについて質問をしてきました。
文章構成については、導入、呼び込み、説明、解説、根拠、引用…のように、一般的な文章構成の要素と、その概念について知っておく必要があったようなので、良いノートのまとめ方を教えるついでに、私が、それらについてまとめて見せました。
私はここ数年、若い頃は全く興味の無かった読書に楽しさを見出している最中ですが、さらには読書を通じて、誰でも勉強ができるようになる「ちょっとしたコツ」を見つけました。
その「コツ」を惜しみなく教えてしまいますが、その方法は至ってシンプルで、「文字のイメージを掴(つか)む」ということです。
多くの知識は、「文字」によって説明され、文字情報による「言語空間」の中で理解する必要があります。
「勉強が苦手」と言う人が、なぜ勉強できないかと言えば、国語でも数学でも理科でも、教科書や問題集に書いてある「文字」の意味を頭の中でイメージできないからです。
例えば「熱」という文字を見て、多くの人は「あつい」とイメージできますし、「水」という文字を見れば「川」や「水道」などを思い浮かべることができるはずです。
これは計算も同じことで、「2×3」という簡単な計算式であれば、多くの人は「2が3つある」というイメージが脳にインプットされていますので、いちいち2を3つ足すということをやらなくとも、計算式を見た瞬間に答えが思い浮かびます。
ところが、「√24x√48-√75」のような式になると、平方根がイメージできない場合、一瞬、頭がフリーズしてしまうはずです。あるいは「海驢」や「樹懶」といった漢字を見て、それが何か思い浮かぶ人は少ないかと思います(ちなみに、読みは「あしか」「なまけもの」ですが、私も知りませんでした…笑)
どんなに難しい言葉や計算式も、それが頭にイメージできれば、見た瞬間にそれが何であるか理解できます。その理解するためのツールは、あくまでも「文字」ですので、「言語空間」において、いかに文字情報を処理できるかが重要な要素となるのです。
多くの学生は、「テスト勉強」と言って、テスト直前に頭に詰め込む暗記学習をしますが、もっとも簡単な勉強方法は、「その文字が頭でイメージできるまで理解する」ことをゴールにすることです。
頭でイメージできないものは、いくら詰め込んでも、一時的な暗記にすぎませんので、本質的に理解したことにはなりません。
頭の中でイメージするためには、「言語空間」における「抽象度」の高い思考能力が必要になります。「抽象度」については、これまでの記事でも説明をしてきましたが、「情報を取りまとめる概念の度合い」のことを言います。
例えば、人間も樹懶(ナマケモノ)も、「哺乳類」というカテゴリーに属する生き物の具体的な名称であり、更に、哺乳類は「動物」というカテゴリーの中にある種類の名称です
このように、それぞれの情報を包摂する度合いが高まるほど、「抽象度」が高まると考えます。
さらには、認知科学や脳科学の分野では、物理空間と脳の認識する世界/抽象空間を連続したものと捉えるため、世の中の情報を認識するにあたり、言語空間はより抽象度の高いレベルにあると考えられています。
この「抽象度」がより高い思考能力があるほど、物事を俯瞰(ふかん)する能力が高まり、必然的に、広い分野のものごとに対して、脳でイメージが作られやすくなります。
もちろん、抽象度の高い思考/抽象的思考ができると、ビジネスにもメリットがあります。
抽象的思考が高まることによって、斬新なアイデアが頭に浮かんだり、誰も考えなかった発想が突然思い浮かんだりといったことも起こりえます。
抽象的思考を鍛える最も良い方法は「読書」ですが、私のように、中学生や高校生の教科書を見返して勉強してみるのも一つの方法でしょう。
「勉強は苦手」と思っている方も、学生の時には持っていなかった経験や視点がありますので、改めて違った考え方で勉強に接することができると思います。
「違った視点を持ちたい」「新しいアイデアが欲しい」と思っている皆さんは、ぜひ、この「抽象的思考」を意識し、より「抽象度」の高い視点を持つための努力をすることをオススメします!
この「思考の抽象度を高めよう!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。