皆さん、こんにちは。
今日は、一年遅れで「サピエンス全史」を読んでいます。
この「サピエンス全史」は、2016年に出版されて以来、大ヒットした本であり、既に読まれた方も多いと思います。
タイトルから想起できる通り、人類進化の歴史が主な内容でですが、それに加えて、人類の発展を辿りながら、社会、文化、科学、宗教、経済といった文明の構造、そして、それらが人類にどのような影響を及ぼしたのか、ということが描かれています。
本書の中で私が気になったのは、上巻第2章の「虚構が協力を可能にした」という内容です。
この章では、サピエンスとネアンデルタール人が同時に生存していた時代に、なぜネアンデルタール人が滅び、サピエンスが存続できたかについての考察が書かれています。
そして、サピエンスがネアンデルタール人よりも優位性を保てたのは、「認知革命」による結果であり、発達した認知能力によって複雑な行動や思考するための力を獲得し、仲間同士の協力や社会的活動が可能になったからだ、と述べられています。
更に、サピエンスの世界は、植物や動物と言った「現実世界」だけでは無く、「社会的構成概念」「想像上の現実」といった「虚構世界」へと拡張し、「虚構世界」の中で発生した、国、宗教、法律といった概念の力を今日にまで至らしめていると言います。
つまり、「虚構世界」に作られた社会とは、遡(さかのぼ)れば、何万年もの昔に、サピエンスが地球の覇者となったことから始まっているのです。
しかし、多くの人は、社会が「虚構」によって成立していると気づいていません。
今日における「虚構」と言えば、デリバティブと言われるような、実体の無い経済くらいでしか語られることがありませんが、国や法律、お金、それが流通する市場、媒介する企業や広告など、私たちの周りにある多くのものは「虚構」によって作り出されているのです。
少し話が難しくなりましたが、私たちは、サピエンスの認知革命以降、「情報空間」、つまり、情報によってコントロールされる世界に生きています。
しかし、情報によって世の中が動いていると知ったならば、私たちは、それをうまく利用すれば良いのです。
著書やメルマガ、当ブログでは「自分の価値」を高めることを強調していますが、その価値も、言ってみれば、「虚構」によって生み出された価値の一つにすぎません。
「自分の価値を高める」と言うと、スキルアップや人脈作りなど、一朝一夕にはいかない努力が必要になって、つい気負いしてしまいますが、それも「虚構の中の価値」と考えれば、ゲーム感覚で捉えることができます。
以前の記事でも、「ドラクエ」のようなロールプレイングゲームの例えを出しましたが、正に「虚構世界」であるドラクエのように、自分の生きる世界をゲームのような感覚で生きれば、もっと「楽しく」「楽に」自分を高めていくことができるでしょう。
もっとも「虚構」だからと言って、単なる嘘や表面的な情報で固めただけでは、すぐに見透かされ、自分の価値を下げてしまうことにつながります。
「ドラクエ」のようなゲームでは、自分のレベルを上げ、ゴールに到達するために、その世界を知り、ルールに従ってゲームを攻略していくことが必要になります。
同じように、皆さんが生きる世界でも、作られた「虚構世界/情報空間」のことを知り、そのルールの中でうまく立ち回れば、必ずゴールを達成することができます。
「成功したいけれど頑張れない」「目標達成できなくてしんどい」と、息切れしてしまうことがあれば、「自分は作られた世界にいるんだ」とイメージしてみてください。気負わずゲーム感覚で人生を楽めば、きっと、私たちの取り巻く情報世界を攻略することができるでしょう!
この「情報空間を利用しよう!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。