皆さん、こんにちは。
昨日、今日と、縁あって長野に行きました。
初めて訪れる土地でしたので、色々な体験をしつつ、改めて観光地について考えさせられました。
今回の主な行き先は諏訪大社でしたが、その規模と知名度もあってそれなりの観光客が見られたものの、以前に静岡や福島を訪れた時と同様、本格的な「観光地化」についてはかなり遅れており、多くの建物や街並みは、数十年前から時間が止まっているような状態でした。
諏訪大社の施設はもちろん、その周りの街や商店からも、特別「観光客を増やしたい」という熱意が見られず、東京オリンピックを目前とし、海外旅行者の流入も増えている中、少し残念な印象でした。
又、訪れた旅館や温泉は非常に歴史が長く、古くは戦国時代にまで遡る宿もあり、古い資料や、その歴史を語り継いでいる女将などがいるにもかかわらず、そうした貴重な存在も、次の世代には風化してしまうのではないかと感じました。
行きすぎた「観光地化」は単なる「便利な街」にしかならないため、それを成功させるためには、仲介者やプロデューサーが重要な鍵となりますが、大抵の場合、現地の方の視野が非常に狭いため、自ら現状を把握することが難しく、私が見た街のように、注目されるべき史跡や歴史的資料が埋もれてしまい、観光業自体も振るわなくなります。
このようなケースは、他の業種にも言えることで、例えば、コンサルタントのような仕事は、特定の分野について深い知識をもっていることは当たり前ですが、新しい発想や、同業他社が思いつかないようなアイデアを出すためには、依頼された分野の外側にある視点が必要です。
プログラマーやデザイナーなどにしても、プログラミングやデザインしかできないのであれば、単なるオペレーターに終始してしまいますが、主たる仕事以外の視点やスキルを併せ持つことで、成果物のクオリティーが向上し、クライアントが要望する以上の結果を出すことができます。
これは以前の記事でもお話しした「抽象度」を高めるということにつながります。
「抽象度」とは「知識や思考のレベル」と考えるとわかりやすいかもしれません。
例えば、チワワも柴犬も「犬」ですが、「犬」という概念やカテゴリーが存在していなければ、同じ「イヌ科」と捉えることができませなん。
又、「犬」と「猫」は同じ「哺乳類」ですが、「哺乳類」という概念が無ければ、同じ特性を持った動物であると理解することはできません。
このように、知識や思考を階層化した度合いを「抽象度」と表し、その知識や思考能力が高次になるほど「抽象度が高い」と考えます。抽象度が高いほど、見渡せる知識や思考の範囲が広くなり、必然的にレベルの高いイメージができるようになります。
ビジネスにおいても、より抽象度の高い思考や発想を持つことで、「自分の価値」が高まり、必然的にライバルと差がつけられるようになります。
まだまだ注目されていない日本の観光地も、より抽象度の高い視点から、堂々と海外にアピールできる観光地へ進化してほしいと願いますが、皆さんのような高い目標を持った方々が成長することで、日本全体が活性化されていくのではないかと思っています。
「現状からもっとステップアップしたい」「同業他社に差をつけたい」と思っている方は、ぜひ、この「抽象度」を高めることを意識し、得意分野の外側にある事柄にも関心を持つようにしてみてください!
この「思考の抽象度を高めよう!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。