ファッションについて再考してみた!

2021年9月3日
ファッション

皆さん、こんにちは。

私はファッションについて、2000年代を境にあまり頓着しないというか、ベーシックでまともなものを着れていればいいと思ってしばらく時間が経ってしまったのですが、ここ最近、YouTubeのファッション系動画を見ていて、色々と気づいたことや面白いことがあったので、少しファッションモードが蘇ってきた次第です。

もっとも「再考」と言いつつ、特にファッションについての考えをこのサイトで書いたことが無いので、再考も何も無いのですが、「私自身が改めて興味を持った」という意味で再考してみました。

ここ数年のトレンドと言えば、マイナーブランドからメゾンまでストリートファッションやヴィンテージアイテムの影響を取り入れる傾向が強いですが、それはファッションのサイクルとして当たり前かな、と思いつつ横目で見ていたものの、どちらかといえば「ネタ切れ」で、過去のファッション/作品を「サンプリング」「リミックス」している割合が多くなっているように思います。

おそらくは一時期のノームコアや、サステイナブルのようなキーワードが取り沙汰された影響による「華美では無いが珍しいもの」という潮流から、過去の機能的なモデルや、タイムレスな名作/ヴィンテージなモデルをサンプリング〜リサンプリングしているのが、昨今の傾向です。

ストリートファッションについては、皆さんも街や広告で目にされているように、GUCCIとTHE NORTH FACE、Louis VuittonとSupremeなど、一昔前ならば考えられないような組み合わせが2010年代に実現されていることを考えても、ハイブランドの歴史だけでハイファッションのムーブメントを動かせなくなったということがうかがえます。

又、機能性ファッションという点で、ここ2〜3年ではヴィンテージアイテムの影響も大きく、ベトナム戦争時代などの労役者が着ていたファティーグシャツやパンツ、国に使役する職業のアイテムでは軍物に限らず鉄道員や郵便局員、果ては、農場や放牧家の服にまで手が広がり、サンプリングネタがどんどん掘り下げられている印象があります。

ジーンズなどのデニムアイテムに関しても、昔からあったLevi’sやLeeなどのヴィンテージ物もデッドストックが枯渇し、元々デニム生産を行っていた日本の岡山県のアイテムやブランドがより注目されるようになったり、あるいは、ボロ布と思えるような昔の端切れ生地すらもファッションのサンプリング対象になっていたりします。

私はファッションの専門家では無いので、現在の潮流やコアなファッションシーンについて詳しくは語れませんが、私が最近のファッションシーンを眺めていて面白いと思ったのは、昨今の音楽シーンの「ネタ切れ」から5〜6年遅れで、ファッションシーンに同じ動きが見られることです。

「ネタ切れ」と言っても、全く新しいアイデアやプロダクトが生まれていない、ということではありませんが、音楽に関して言えば、「ジャンル」で語ることができたのは、おそらく90年代末までであったように、2000年代以降は音楽の飽和状態から、露骨な懐古主義、リミックス/リサンプリングの時代になったと言えます。

ジャンルが飽和したのは、いわゆるEDMと言われるジャンルで、これも今ではほとんどの人の記憶にない「Dubstep」から進化したジャンルですが、細かく言えば、その前後でHipHopから発生したTrap、元々あったTechnoやTrance、Houseミュージックなどがミックスしてフォーマット化された音楽です(2021年現在、私が知る限りでは、今の若い人は「EDM」という言葉すら知りません、笑)。

そして、EDMが飽和していくに従い、音楽の潮流は80年代後半〜90年代前半の元ネタがヒットチューンに盛り込まれるようになりました。分かりやすい例で言えば、The Weekndの一連のヒットソングを聞いてもらえれば、おそらく1970年代前後生まれの人には懐かしく感じるのではないかと思います。

ファッションの流れも、そうした音楽の80〜90年代回帰に伴って、数年遅れでその影響が反映されています。

私は1990年代前半はHip Hop DJでありダンサーであったので、当時ニューヨークを中心とするHip HopシーンにとってハイファッションであったRalph Laurenのアイテムを全身に纏っていましたが、その90年代のアイテムは2010年代にRalph Laurenがオフィシャルで復刻しています。

それくらいならばまだ理解できていたのですが、そのヴィンテージムーブメントも過剰になり、例えば、90年代のGAPやBANANA REPUBLICにまでその範囲が広がり、3〜4年前のTHE NORTH FACEなども、90年代のHip Hopシーンで流行っていたダウンジャケットなどを復刻販売していました。

GAPにせよTHE NORTH FACEにせよ、当時のアイテムやデザインが秀逸であったのは、その時に着ていた一人として理解できるのですが、「こういったものにまでサンプリングネタ探しの手がやってきたのか」と思えるくらいに、ファッションのサンプリングが過剰になってきたのは、サンプリング文化の中で育ってきた自分としては面白いムーブメントです。

と言うのも、音楽シーンの一部では、世界のレコードディガーやネタもの掘り師が散々探していたジャズやファンク、あるいは、ノーザンソウルと呼ばれるようなジャンルの音楽も珍しさが無くなり、7インチのレコードを中心に珍しいネタ探しの流れが始まりましたが、最近に至っては、その流れすらも当たり前になり、遂には日本の「和物」レコードにまで手が広がってきたあたり、ファッション業界の一歩先を行く「ネタ切れ」がやってきたように感じます。

音楽に関しては、「和物」だけで見ても、おそらくは一生ネタ切れにならないくらいに、日の目を見ないアナログレコードがありますが、ファッションに関しては、今後どのような潮流になっていくのか、とても興味深く思います。

ハイファッションの中堅クラスで言えば、Jerry LorenzoやMartin Margielaのようなデザイナーのアイテムを見ても、コレクションのほとんどは前述のミリタリーやヴィンテージのサンプリングですが、今後、大手メゾンと仕事をしてきた彼らがどのような仕事をするのか興味をそそられるのと同時に、現在のサンプリングファッションは90年代をリアルタイムで体験したきた身として心地よく感じる今日この頃です。


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