皆さん、こんにちは。
私は普段、自宅ではMacBook ProにBluetoothの外付けキーボードを接続して使用しているのですが、一台はApple Wireless Keyboard、もう一台はサブマシンなので適当に使用できれば良いと思い、Ankerの格安キーボードを使用していました。Windowsマシンについても使用頻度が少ないため、こちらもAnkerの同型をもう一台接続し、三つのキーボードを据え置いている形です。
私はミニマリストではありませんが、機器が無駄に増えたり、机上に沢山の機器が溢れている状態は嫌なので、なんとかこれらをすっきりできないかと思い、マルチペアリングできるキーボードを探していました。
マルチペアリングとは、一台のBluetooth機器で複数のPCやタブレットなどに接続し、スイッチやキー操作でそれらを切り替えて使用できる機能のことを言います。
Logicoolなどにも割と安価なマルチペアリング対応キーボードがありますので検討しましたが、見た目がファンシーすぎることと、入力感などが満足できなそうでしたので、何か良いマルチペアリング対応キーボードが無いものかと探していました。
入力感云々とは言え、私は(自慢しているわけではなく)もはやどんなキーボードでも高速に入力できますし、現在は昔ほど入力感にこだわっていないため、見た目がそこそこよく、機能的にも申し分無いマルチペアリング対応キーボードがあればよいと思っていました。
しかし、探してみるとこれが意外にありません。
「マルチペアリング」「見た目が良い」、この二つの条件を満たしているのは、PFUのHappy Hacking Keyboard(HHKB)だけでした。
ところが、そもそもHHKBは高価ですし、Bluetooth対応、さらにはマルチペアリング対応モデルとなると、30,000円を超えます。最終的に購入するに至った、Happy Hacking Keyboard Professional HYBRID Type-Sは、35,000円超です。
今更キーボードに30,000円も使うのはどうなのかと、Amazonのほしい物リストに追加しつつ、数日間悩んでいましたが、机上の3台のキーボードが毎度目につく方が精神衛生上良くないことと、無駄にスペースを取っているやるせなさが鬱積しそうでしたので、購入することにしました。
又、それまでApple Magic Trackpad2と、サブマシン用のLogicool M350、Windowsマシン用にRazorのDeathAdderを使用していましたが、統一感が無いだけでなくスペースを無駄に占拠しているため、マウスもマルチペアリング対応のものを探し、KensingtonのPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballを購入しました。
本当はトラックパッドが良かったのですが、いくら探してもマルチペアリング対応のトラックパッドは見つからなかったため、やむを得ず、Kensingtonのトラックボールを選んだ次第です。
HHKBもKensingtonのトラックボールも、15年前くらいまでは愛用していたのですが、Macがトラックパッドによるジェスチャーを強化しはじめたあたりから、これは映画のマイノリティーレポートで描かれたようなインターフェースが延長線上にあるのかと思い、純正のトラックパッドに移行し、今に至ります。
HHKBは、Technicsのターンテーブル「SL-1200」のように(内部的なアップデートはされているものの)、見た目もほとんど変わらず固定ファンが多い名キーボードなわけですが、初期モデルは昔のPC用キーボード然とした配色が気に入らず、Apple純正のWireless Keyboardに乗り換えてしまいました。
現在も「白」モデルは昔の面影を残した配色ですが、キートップを変えて純白のHHKBにしている方もいるようです。
今回は上述の通り「マルチペアリング」が目的でしたので、やむ無くHHKBに戻ってきたわけですが、やはり未だ愛用者の多い名器だけに、そのシンプルさや入力感は抜群です。
HHKBには「無刻印モデル」というキートップに何も印字されていないハードコアな仕様のモデルがあるのですが、シンプルを突き詰めて無刻印も選択肢に考えたものの、なんとなく刻印ありの「墨」モデルを選んでしまいました。キーの配置は最上段の数字や記号も含め、指先にはしっかり記憶されているので無刻印でもよかったのですが、もしも超絶「無刻印モデル」が欲しくなったら買い換えるか、キートップを仕入れて付け替えるかもしれません。
このHYBRID Type-Sを実際に机上に置いてみた第一印象は安定感です。Bluetoothなどの回路や無線用バッテリーの重量もあるかとは思いますが、私が使用していた頃のモデルと比較すると全体的に適度なズッシリ感があり、又、底面のゴムパッドがしっかりしているため、置いた感じに安心感とも言える安定さが感じられます。
ただ、一つ気づいていなかった点は、十字キーが無いことです。大抵のキーボードは右下に十字キーがありますが、このHHKBには十字キーがありません。どうやって上下左右の移動を入力するかというと、右下に配置されているFn(ファンクション)キーと「[」「;」「’」「/」を組み合わせて上下左右を入力する形です。PCゲームでASDFやAWSZキーを使用してキャラクターを動かすのと同じようなノリですね。
簡単に言っていますが、私はまあまあ十字キーを使用していたので、これはしばらく慣れるまでに気を使う必要があります。それからキー配置で言えば、DeleteキーがReturnキーの直上にあります。大抵のUS配列キーボードは右上「~」の右にありますので、これもややとまどいました(よく考えれば、「~」もUS配列の場合は一番左に配置されていますね)。
肝心のマルチペアリングですが、切り替え時、「スムーズ」とは言い難いものの、Fn + Ctrl + 1〜4で簡単に切り替えできます。しかし、不便なのがmacOSの場合、FileVaultを有効にしていると、起動時に自動接続してくれないらしく、いちいち内蔵トラックパッドを使用して接続しなくてはいけません。これは、私のようにMacBook Proをクラムシェルモードにしている場合は超絶不便ですので、なんとか改善してほしいところです。
Kensingtonのトラックボールですが、元々Expert Mouseを使用していたので、Bluetooth版のExpert Mouseが良かったのですが、マルチペアリングに対応しているモデルがPro Fit Ergo Vertical Wireless Trackballのみでしたので、これもやむを得ずの選択となりました。
このモデルは、Bluetooth経由で2台とWi-fi経由で1台の計3台使用できるのですが、Bluetooth2系統はMacBook Pro2台に、Wi-fiレシーバーはWindowsマシンに取り付けることにしました。
マニュアルがシンプル過ぎて接続する際に一瞬迷いましたが、問題も無くスムーズに認識。OSのマウス設定のみでも使用できますが、別途インストールできるKensingtonWorksというユーティリティーで更に細かな設定が可能です。
私はトラックボールも長年使用していたので操作には慣れているのですが、今回は親指操作なので手間取っています。おそらく慣れれば便利なのでしょうが、トラックボールは大抵、人差し指や中指を使用して操作する仕様ですし、力の入りやすさからもそれが自然なので、親指操作にはかなり修行が必要になりそうです。
なんにせよ、今回の目的は単一のキーボードとマウスで複数台のマシンを操作するための「マルチペアリング」と「机上のものを減らす」ということでしたので、その点については非常に満足しています。操作についてはしばらくもたつく場面が続きそうですが、いずれも素晴らしい製品ですので、しばらくこの組み合わせで様子を見てみようと思います。