皆さん、こんにちは。
先日、子どもの学校で配られた「保健だより」的なプリントを見ていたら、紙面の半分を使って、「マインドフルネス」についての記事が書かれていました。
「マインドフルネス」は、1970年代から臨床心理学などを中心に研究されてきた考え方ですが、ここ数年、ヨガや瞑想などと併せて、欧米を中心に流行し、書店の棚にもマインドフルネス関連の書籍が多く並べられています。
その意味では、「流行り言葉」として使い古された印象があったため、(本質はさておき)あまり良い印象を持っていなかったのですが、改めて「マインドフルネス」について確認してみると、日常生活だけでなく、それ以外の場面でも、とても役立つ考え方であるとわかります。
「マインドフルネス」とは、「たった今起きている事柄に注意を向ける」という、文字にすると簡単に聞こえる、実は難しい行動ですが、そもそも「マインドフルネス」とは、仏教における悟りに近づくための方法の一つです。
つまり、今の瞬間に集中して目を向けることで、過去の失敗に囚われたり未来を不安に思う気持ちから解放され、自信を集中させモチベーションを高める、といった行動様式で、仏教的に言えば「煩悩から解放され悟りを開く」ための行動と言えます。
「マインドフルネス」のような考え方が、中学の保健だよりに紹介されるのは好ましいことですが、そのような紙面にまで「マインドフルネス」という言葉を目にするようになったのは、それほど、この言葉が大衆化〜流行化したためだとと考えると、少し陳腐に感じられ、微妙な気持ちになってしまいます、笑
ところで、このところ周りの人から、「来月仕事で〇〇があって憂鬱だ」とか「去年〇〇で失敗しているから不安でしょうがない」といったことを、よく耳にします。
そもそも、ネガティブオーラを出して愚痴ばかり言う人とは距離を置くようにしていますが、割と親しい間柄だと、あまりスルーしすぎるのもよくありませんので、多少は耳を傾けるようにしている中、「こういう人たちこそマインドフルネスじゃないかなあ」などと、ぼんやり思った次第です。
「マインドフルネス」の目的の一つとして、「心の中の反芻(はんすう)から起こる悩み苦しみを避ける」という役割がありますが、多くの人の悩みは、前述のセリフのように、過去の出来事に囚われている状態や、これから起こる出来事への心配から生み出されます。
過去の経験から学習し、次のステップのために活用することは将来の糧になりますが、「過去の失敗が、次の失敗の原因になる」ということはありませんので、そもそも、過去に囚われる言うこと自体が無駄なことです。
中国の故事である「人間万事塞翁が馬」のように、多くの人は、何か失敗した後に次の行いが上手くいくと、「あの失敗があったから、この成功がある」と過去の失敗を美化し、失敗の後に失敗が続くと「あの失敗のせいで、今回も上手くいかなかった」と過去の失敗をネガティブに捉えます。
過去の経験に因果関係を見出そうとするのは、あくまでも人間の心であり、「バットにボールが当たったから逆方向に飛んだ」といった物理的な作用でも無い限り、そこに因果関係はありません。
もっとも、「大切な人を亡くした」「事故で人を傷つけてしまった」などの理由で、トラウマやPTSDを抱えているということなら事情は変わってきますが、「面接で緊張して話せなかった」とか「営業の得意先でミスを犯してしまった」といったことであれば、次に起こる出来事との因果関係は無く、結果的に起きた失敗は、自分自身が引き起こした結果に過ぎません。
又、これから起きることに対しての心配は、偉そうに話している私自身ですら時々あることですが、全く予測のつかないことならばまだしも、ほぼ確実に到来する未来(例えば学校の定期試験や、仕事のプレゼンなど)であれば、心配からポジティブなことが生まれることは無いでしょう。
もちろん、リスク管理という面で、失敗した時のことを予測し、リスクを回避・軽減するというならば、有益な結果を生み出すことはできます。
しかし、いずれにせよやってくる未来ならば、その間、心配して過ごすよりも、楽しく過ごした方が有意義であることは間違いなく、不安に思って過ごせば、パフォーマンスが低下し、健康面でもマイナスになるなど、何一ついいことがありません。
そこで、この散々流行した「マインドフルネス」の登場です。
「たった今起きている事柄に注意を向ける」というと、なんだか漠然としていますが、噛み砕いて言えば、眼の前で起きている事をなんの迷いもなくストレートに認識し、淡々と対応していく、といった感じです。
敬虔な仏教徒のような「悟りを開く」といったレベルでなくとも、不安や心配に左右されず、ただ目の前に起きたことをこなしていくことができれば、ありがちな「先延ばし」や「モチベーション低下」と言ったことも事前に回避でき、どんなことも達成できるようになります。
とは言え、始めてみると、マインドフルネスの実践はそう容易くはありませんので、その補助ツールとして近年流行っているのが、瞑想やヨガです。
その「瞑想」ですが、以前の記事でお話ししたように「目をつぶって集中して光が見えてきて…」のような、よくあるイメージだけが先行して「よくわからないもの」と考えられていることがほとんどです。
実際、瞑想は「よくわからないもの」ですが、気負わず実践してみると、「なんとなく自分に集中している」状態を感じることがあります。
私の場合は、「料理瞑想」「模様替え瞑想」など、少し変わった方法で瞑想を楽しんでいますが、私のオススメは、お風呂と水の音です。
お風呂はパーソナルな場ですし、なにより落ち着きます。
湯船に浸かって、水を細く流しながら、水滴の音を聞いて目を閉じると、不思議と集中することができます。
その時の「自分自身に集中している感じ」がわかったならば、それを、日常生活に応用してみると、やがて、「マインドフルネスな状態」を自ら作り出せるようになるでしょう。
マインドフルネス関連の書籍も、もはや出尽くした感はありますが、今だからこそ(?)この「マインドフルネス」で最強のメンタルを構築し、ぶれない自分でゴールを達成していきましょう!
この「マインドフルネス(死後?)で磨く最強マインド!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。