皆さん、こんにちは。
ようやく子どもの期末試験も終わり、夏休みへと突入しましたが、試験勉強の際、保健体育の内容で「適応とホメオスタシスの違い」という問題について、子どもに質問をされました。
「ホメオスタシス」については何度も紹介していますので、すっかりお馴染みな方も多いと思いますが、これを日本語で言い換えれば「恒常性」ないしは「恒常性維持機能」であり、生き物が自分の体内の状態を一定に保とうとする機能のことを言います。
例えば、最近のような猛暑であれば、人間は一生懸命汗をかいて体温を外へ逃がそうとし、逆に極寒の真冬であれば、鳥肌を立てて体温を逃がさないよう機能します。
対して「適応」とは、生き物が、ある環境で生活するにあたって有利な形質をもっていることを言います。
水中にいる魚の場合であれば、水の中で生活するために効率的な「ひれ」や「えら」を獲得したように、それぞれの環境に適した体、もしくは、性質を持っている状態です。
ところで、「ホメオスタシス」は、既に私たちが備えていて、常に自分にとって適切な状態へと自動的に修正してくれますが、「適応」は、体内で常に動いている機能ではありません。
生命の進化は、ある意味「適応」の連続であり、進化していった動物は新たな環境に合わせて、自らを「適応」させ、ある環境の中で生き残るために姿形を変えてきました。
私たちが生きる現在では、生命の進化は一旦止まっている様子で、どんなに望んだとしても、人が翼を獲得したり、エラ呼吸できるようにはなりません。
それでも、物理的な「適応」は難しくとも、精神的な、あるいは、情報空間的な「適応」は可能です。
私たちは、子どもから大人になる過程において、様々な組織や人間関係を経由し、自身を新たな環境に「適応」させています。
言い換えれば、それを「成長」とも言いますが、大人になればなるほど、新しい環境への「適応」が難しくなり、自分自身に確立した自我や、自分の持つ常識によって、なかなか自分を変えようとはしません。
しかし、この「適応」することを妨げている、私たちの自我を変えることができれば、どんな環境でも自分を最大限に活かすことができ、又、「ホメオスタシス」を味方につけることで、自分自身のさらなる推進力を得ることができます。
つまり、「適応」し続けることによって自身が変化するとともに、「ホメオスタシス」は「変化していく自分」を「普通の状態」とみなし、更に自分の能力が回転していくわけです。
とは言え、魚が陸上へと上がった進化に相当な生命のエネルギーが必要だったように、体の形を変えることはなくとも、精神的、情報空間的な「適応」にはパワーがいります。
又、「適応」するためには、自身の考え方を変えていかなくてはいけません。
そのために必要なことは「経験」と「知識」です。
知識をつけることで、より俯瞰的な視点を持つことができ、経験を重ねることで、その知識により説得力が増していきますので、その二つを積み重ねていけば、やがて脳は「適応」することに障壁を感じなくなり、すんなりと自身を新しい環境へと「適応」するようになります。
知識も経験も一朝一夕にはいきませんが、「勉強が苦手」「腰が重い」と思いがちな方も、より高いステージへと「適応」することを、ホメオスタシスが「当たり前な状態」へと転換してくれると考えれば、自身の自信にも確信が持てるようになるはずです。
アメーバのような単純な生き物が、私たち人間のように発達した脳を持つ生き物に進化したように、この「適応」と「ホメオスタシス」を武器に、更なる「自身の進化」を目指していきましょう!
この「適応とホメオスタシスを活かす推進力!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。