皆さん、こんにちは。
Film RaderというYouTubeチャンネルに、「Fight Club | The Beauty of Sound Design」(https://www.youtube.com/watch?v=as2Rk4WcljA)と題された動画があるのですが、この動画では、映画にとって、いかに環境音が重要であり、この点においてデビッド・フィンチャー監督の「Fight Club」という映画が、どれだけ優れていたか語られています。
ここで言う「環境音」とは、わかりやすい例で言えば、雨のような自然の音、あるいは、料理をしている時の音、上述の「Fight Club」であれば、ファイトシーンでのパンチ音などです。
皆さんもご存知かもしれませんが、映画作品のほとんどは、様々な音を後付けしています。
ドキュメンタリー映画のような作品の場合は、撮影した音をそのまま使うことがほとんどですが、多く映画作品の場合、人物のセリフをマイクで拾い、その場面で必要な音は、あとから足していきます。
例えば、ナイトクラブでのシーンでは、無音のクラブで人物だけが話している場面を撮影し、DJの音楽や客の話し声などをあとから付けるということもあるそうです(つまり、周りの人たちは、無音で音楽に乗っているふりをしている)
そのようにして作られる環境音ですが、単にあとから足せば良い音楽などと違い、人をパンチするような音は、人を興奮させるという点に配慮すると同時に、その臨場感を感じられるよう、沢山の工夫を凝らして「創られ」ています。
前述の動画を見ていただくとわかりますが、「創られる」と表現したのは、音を新たに創り出しているからです。
映画「Fight Club」では、鶏肉にくるみを入れ、それを叩きつけることでパンチ音を表現したそうですが、公開当初、この映画の評判が悪かったにも関わらず、その後にカルト的なファンを増やすことになったのは、そのストーリーの陰に、完璧な環境音があったからなのです。
また、この動画では、「環境音が(映画的に)完璧であればあるほど、観客がそれに気づかずのめり込むことができる」と語られていますが、公開以降、長くカルト的なファンを増産し続けて来た「Fight Club」のように、映画として成功するための鍵は、「環境音」のような、裏方の地道な創作活動だと言えるでしょう。
世の中の成功本やセミナーなどの多くは、どちらかというと華美な成功イメージや、聖杯のような成功法則にフォーカスが当てられがちですが、成功者の陰には、様々なチャレンジや困難、地道な努力があることに、あまり触れようとしません。
もちろん、「大変さ」や「地味さ」を前面にだしていては、本も売れないでしょうし、セミナーに来るお客さんも減ってしまいますので、あえて、そのようなことは語らないのだと思いますが、これから奮起して成功を目指そうと思い、華やかな成功体験だけを真似ようとすると、それがうまくいかず、「じゃあ、もっと新しい成功法則を」と、ただ華美な成功体験だけをなぞり、いつまで経っても現状の外に出ることはできません。
もっとも、だからと言って、地味な努力を無駄に続ければ良いと言うわけではありませんが、自分の目指すゴールが高ければ高いほど、その過程には困難があり、より高い壁が待ち受けているということに気づかなくてはいけません。
先ほどお話しした「環境音」のように、成功への道のりは、地味な努力の積み重ねによって強固になり、それが、大きな成功へのゆるぎないパワーとして築かれていくのです。
私自身も、「成功本」と呼ばれるような本をリリースしていますが、読んでいただいた方はわかる通り、割と普遍的な内容を淡々と並べ、派手なやり方や、成功のための一撃必殺のようなことは、お話ししていません。
そもそも、私自身が派手なやり方や体験をしていない、ということもありますが、周りの仕事仲間や諸先輩を見回しても、自分には真似できないような多大な努力をしてきた方がほどんどで、どんなに派手な振る舞いをしている人でも、人知れず「環境音」のような努力を積み重ねていると感じます。
「リッチになって派手にお金を使いたい」という目標も否定はしませんが、華やかな成功イメージだけに魅かれて、自分の描くイメージと、うまくいかない現実とのギャップに悩んでいる、ということがあれば、その裏側にある「環境音」を見逃していないか、今一度、考えてみてください。
自分なりの成功法則を見つけ、誰にも気づかれない「環境音」のような努力が自然とできるようになった時には、既に成功への道のりを進んでいることでしょう!
この「環境音のように築く成功への道のり!」は、また、本ブログやメルマガで掘り下げていきたいと思います。